戦争被害調査会法を実現する市民会議は1月18日、第169回国会の開会にあたって、衆参両院の全国会議員に改めて国立国会図書館に「恒久平和調査局」の設置を要望しました。
要請内容は以下の通り。
PDF版はこちらをクリックしてください。
------------- * ------------
国会議員のみなさまへ 2008年1月18日
国立国会図書館に「恒久平和調査局」の設置を要望します!
戦争被害調査会法を実現する市民会議
共同代表 西川 重則 西野瑠美子
事務局長 川村 一之
過去を「反省する勇気と知恵」で歴史事実の究明を
第169回国会の開会にあたって、衆参両院の国会議員の皆さまに訴えます。
昨年の12月27日から訪中された福田首相は、28日の午前、北京の人民大会堂で中国の温家宝首相と会談しました。両首脳は、日中平和友好条約締結30周年にあたる2008年を「日中関係飛躍元年」と位置づけ、関係強化を進めることを確認しました。
その日の午後、首相は北京大学で講演を行い、次のように訴え、学生に強い感銘を与えました。
「長い歴史の中で、不幸な時期があっても、しっかりと直視して、子孫に伝えていくことがわれわれの責務だ。自らの過ちに対する反省と、被害者の気持ちを慮(おもんばか)る謙虚さを伴ったものでなくてはならない。過去をきちんと見据え、反省すべき点は反省する勇気と知恵があって、はじめて将来に誤り無きを期すことが可能になる」、と。
福田首相は、日本の国会においても、歴史の事実の究明に関心を持ち、公文書館の充実の必要性を訴え、強調しています。北京大学の学生も、福田首相が「過去の過ちについても率直に認めてくれた」と感慨深く、感想を述べています。
戦争の惨禍の実態を公的な機関で調査してください
現在、日本の国会では超党派の議員の皆さんが議員連盟によって、国立国会図書館に恒久平和調査局の設置をめざして努力されています。同法案の目的は、次の通りです。
「この法律は、今次の大戦及びこれに先立つ一定の時期における惨禍の実態を明らかにすることにより、その実態について我が国民の理解を深め、これを次代に伝えるとともに、アジア地域の諸国民をはじめとする世界の諸国民と我が国民との信頼関係の醸成を図り、もって我が国の国際社会における名誉ある地位の保持及び恒久平和の実現に資することを目的とする」。
実は上記の法案の趣旨は、福田首相の北京大学の講演で述べられた趣旨と同様です。したがって超党派の精神を発揮され、ベストを尽くして所期の目的を達成するために努力されることが強く望まれます。もちろん、福田首相自身、若い学生に訴えられた重要な視点、すなわち「過去をきちんと見据え、反省すべき点は反省する勇気と知恵」をもって将来に誤りのない努力を払うことが強く求められていることを率直に認めることが必要でしょう。
国会図書館に「恒久平和調査局」の設置を要望します
今こそ、所期の目的を達成するために、院の内外の結集が必要でありましょう。真の意味で、超党派の原則が確保され、各党の党議や派閥中心ではなく、歴史の事実に基づく歴史の認識の共有・共通の認識をめざす冷静さと決断とが不可避の課題ではないでしょうか。
終わりに、もう一度確認したいと思います。
福田首相が北京大学で、講演の題名も「共に未来をつくろう」とし、日中関係への思いを若い世代に話し、多大の感銘を与えたことは、中国全国に生中継し、大きい影響を与えたことは周知の事実になっています。以上のことは、中国に限ったことではありません。
ともあれ、福田首相は現在、日本の最高責任者であり、北京大学での歴史的発言を日本国内でも十分に責任をもって実行に移されることを期待するものです。そして、国会議員の皆様が、日本が関与した戦争の惨禍の実態を公的に調査し、国立国会図書館に恒久平和調査局の設置することによって世々に歴史の事実を伝えてゆくためによきリーダーシップを発揮されることを強く要請して止みません。
|