高村正彦外務大臣は3月26日午前、衆議院外務委員会において韓国に返還された旧軍人軍属の遺骨返還式典の在り方については今後も韓国側と調整していくことを明らかにした。民主党の近藤昭一議員の質問に答えた。
近藤議員は1月22日に目黒区の祐天寺で行われた遺骨返還式典でマスコミ関係者が取材規制されたことや遺骨返還に取り組んできた市民の参列が拒否された事実を取り上げ、開かれた式典にすべきではなかったかと問い質した。
高村大臣は式典を静謐な環境で行なうとの日韓合意の上でなされたものと理解しているが、韓国側の意向を踏まえた上で調整しながら進めると答弁した。
近藤議員はさらに外務大臣や総理が式典に出席するよう求めたが、高村大臣はご意見があることを踏まえて検討したいとの答弁にとどまった。
質疑では民間徴用者の遺骨返還について小野寺外務副大臣が、現在までに1909体の情報が寄せられ、実地調査も行って韓国側で遺族を調査している段階であること、韓国側から調査にあたっての追加資料の要請があれば関係省庁と協議して対応していくことなどを明らかにした。
兵庫県・宝塚市議会は3月25日、市民が提出していた<日本軍「慰安婦」問題に対して、宝恷s議会が政府に誠実な対応を求める請願>を採択、請願に沿った意見書を可決した。意見書は国際社会で広がる日本政府に公式謝罪を求める決議を紹介し、日本政府に河野談話にのっとり、日本軍「慰安婦」問題の真相究明と被害者の尊厳回復に努め誠実な対応をするよう求めるとしている。
2007年7月30日、アメリカ下院議会は全会一致で、「日本軍が女性を強制的に性奴隷にした」ことを「公式に認め」「謝罪する」よう日本政府に求める決議を採択しました。
当時の安倍心晋三首相は7月31日、この決議採択を「残念なことだ」と評し、生存する犠牲者に日本政府は公式謝罪しないことを強くほのめかしました。
これは、1993年の河野洋平官房長官の談話と矛盾する態度です。このような態度をとっていては、これまでに日本政府が口にしてきた「謝罪」が、本心とかけ離れた、口先だけのものであると受け取られても仕方ありません。また、村山首相のお詫びの手紙と共に一部の被害者に届けられた「女性のためのアジア平和国民基金」は、国際社会の批判をかわすための欺瞞であったのではないかと言われても仕方ないでしょう。
日本政府に謝罪と賠償、歴史教育などを求める決議案は、アメリカの議会決議に続いて、11月にオランダとカナダで、12月13日にはヨーロッパ議会で、採択されました。
日本政府が、日本軍「慰安婦」の被害にあった女性達に対して、いまだに公式の謝罪もせず、補償もせず、真相究明や責任者処罰をしないばかりか、教科書からもその記述を消し去って、無かったことにしようとしていることに対して、世界各国で批判の声が高まっているのです。
今、世界中で、日本軍「慰安婦」問題を解決するための運動が広がりを見せています。 しかし、これらの世界の動きは日本では必ずしも十分には報道されていません。
政府においては、1993年の河野洋平官房長官の談話の上、さらに日本軍の「慰安婦」問題の真相究明を行い、被害者の尊厳回復に努め誠実な対応をされるよう求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
2008年3月25日
衆議院議長 河野洋平 殿
参議院議長 江田五月 殿
内閣総理大臣 福田康夫殿 あて
宝塚市議会議長 小山哲史
在日コリアン3世の辛淑玉(シン・スゴ)さんは3月18日、国会内で開催された恒久平和議連(会長:鳩山由紀夫)の公開ヒアリングで超党派の国会議員を前に「在日の参政権を早く認めるべき」と日本社会の人権感覚の問題点を指摘した。
辛淑玉さんは米国の市民権取得歓迎式の模様を紹介、各国から訪米し市民権を得た人々が米国に帰属する意識が芽生えるのに対し、日本では血のつながりが重視されるあまり在日韓国・朝鮮人を差別、排除する傾向があり、在日コリアンに日本への所属意識が生まれないと自分自身に経験に照らして講演した。
公開ヒアリングは恒久平和議連が発議した恒久平和調査局設置法案の理解を広めるために実施しており、今年は世界人権宣言60周年を記念して開催している。
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