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公文書管理法制定へ中間報告を提出(7月1日)有識者会議
 〜 時を貫く記録としての公文書管理の在り方 〜

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 公文書管理の在り方を検討している有識者会議は6月23日、第8回会合を開催し、公文書管理法制の確立を盛り込んだ中間報告「時を貫く記録としての公文書管理の在り方 〜今、国家事業として取り組む〜」を取りまとめ、7月1日にに上川担当大臣と福田首相に提出した。

 第8回会合は有識者会議の事務局を担当している内閣官房公文書管理検討室の山崎室長が中間報告案を説明、有識者の意見を聞いた。

 中間報告の表題は当初、「先進国にふさわしい文書管理の在り方」とされていたが、有識者の評判が悪く、上川担当大臣の案で『論語』の「学而時習之」や「吾道一以貫」から公文書管理は過去・現在・未来を貫いて国の背骨の事業としてベストを尽くす意味で「時を貫く記録としての公文書管理の在り方」となった。

 基本認識として公文書管理は、国民が「公文書」という正確な情報にアクセスすることは民主主義の根幹であり、「公文書」は未来に生きる国民に対する説明責任を果たすために必要不可欠な国民の貴重な共有財産であるとされた。

 公文書管理の在り方としては、現用文書と非現用文書を一括管理し、文書の作成から利用までのライフサイクルを通じた公文書管理法制を確立し、歴史的に重要な公文書が保存されるような文書管理システムを構築することが必要であるとしている。

 また、公文書を管理する担当機関の組織としては、内閣府に一元化し、国立公文書館の機能については独立行政法人から国の組織に戻すか、司法や立法からの文書の移管を促進するために「特別の法人」にするかの2案を提言する。

 会合では中間報告案を概ね了承し、文言整理などを尾崎座長に一任、来週にも首相あてに提出する運びになった。

 有識者会議は残された課題として、行政機関以外の文書の取扱い、外務省外交史料館などの公文書館以外の組織との整合性、IT化への対応や地方自治体の公文書の在り方、情報公開法との関係などを検討し、10月までに最終報告をまとめることにしている。

公文書管理の在り方等に関する有識者会議http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/koubun/index.html

□ 中間報告 「時を貫く記録としての公文書管理の在り方」〜今、国家事業と
して取り組む〜 [PDF](平成20年7月1日)



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東京・清瀬市議会で「慰安婦」陳情採択・意見書可決(6月25日)
 〜 国連人権理事会の審査報告を盛り込む 〜

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 東京・清瀬市議会は6月25日、「従軍慰安婦」問題について市民団体「清瀬子どもと教育ネット」が3日に提出した陳情を採択、「従軍慰安婦」問題について政府の誠実な対応を求める意見書を賛成多数で可決しました。 意見書は今年3月に兵庫県宝塚市議会で可決されて以来。5月に行われた国連人権理事会の審査報告書が加えられ、最新の情報が加味されています。

■「従軍慰安婦」問題について政府の誠実な対応を求める意見書

 昨年7月以来現在までの間に、アメリカ、オランダ、カナダ、EU、フィリピンなどの議会において、「従軍慰安婦」問題につき日本政府の公式の承認と謝罪、賠償、歴史教育などを求める決議が採択されました。

 さらには5月の国連人権理事会で、フランス、オランダ、韓国、北朝鮮などの諸国が「従軍慰安婦」問題で日本政府に前向きな対応をとるように求めました。

 しかし、日本政府は未だに「従軍慰安婦」問題の真相を究明する誠意を欠き、被害にあった女性たちに対し公式の謝罪もせず、充分な賠償も全く棚上げにしたまま、教科書からその記述を消し去り、責任ある対応をしていません。その恥ずべき態度には国内外でひろく批判の声があがっております。

 政府においては、平成5年の河野洋平官房長官の談話などと矛盾しないように、さらに「従軍慰安婦」問題の真相究明を行い、陳謝し、賠償責任を果たし、学校で教えることで、各国の被害者の尊厳回復に努め、誠実な対応をされることを強く求めるものであります。

 以上、地方自治法代99条の規定により、意見書を提出します。

 2008年6月25日    清瀬市議会



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第169回国会閉会、恒久平和調査局設置法案は継続審査(6月21日)


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 1月18日に召集された第169回通常国会は会期を6日間延長し、6月21日、156日間の会期を閉じた。

 「ねじれ国会」で法案成立が進まないとされながら、アイヌ先住民決議が衆参両院で可決されたのを初め、ハンセン病基本法や改正被爆者援護法など議員立法が成立したことは与野党の政策協議の結果として評価できる。

 また、朝鮮半島出身者でBC級戦犯に問われた人々に対する給付金を支給する法案が5月29日、戦後初めて国会に提出されたことも注目に値する。同法案は恒久平和調査局設置法案とともに衆議院で継続審査になったが、両法案とも次期臨時国会では実質審議に入ることを期待したい。

 参議院では「慰安婦」問題の解決を促進する法案が会期末の6月10日に提出されたが、問責決議案の可決などの影響で廃案になった。「慰安婦」問題では米下院で決議が採択されて一周年を迎えることから、8月初めに米下院外交委員会の小委員会で公聴会を開いたフォレオマバエガ下院議員の来日が予定されている。



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公文書管理中間報告へ第二次案を討議(6月11日)有識者会議
 〜 文書管理の基本認識と管理担当機関を集中討議 〜

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 公文書管理の在り方を検討している有識者会議は11日、第7回会合を開催し、7月の洞爺湖サミット前に中間報告を行うべく第二次案を討議した。

 会合は有識者会議の事務局を担当している内閣官房公文書管理検討室の山崎室長が前回の第一次案への意見を踏まえて整理した第二次案を説明。

 第二次案は1.基本認識、2.公文書管理の理念、3.制度設計に当たっての基本的な考え方、4.公文書管理のあるべき姿(ゴールド・モデル)に向けて、5.公文書管理担当機関の在り方、6.その他、7.早急に講ずべき事項の7点に整理した。

 基本認識の討議では尾崎座長が米国では「民主主義はここから始まる」(Democracy Starts Here)と言われるように文書管理の役割は文書保管庫ではなく民主主義の原点であることを訴えることが大切で、基本認識が中間報告と最終報告で変わるとおかしいと話し、基本認識が中間報告の柱になるとの認識を示した。

 また、第二次案では公文書管理担当機関の在り方に議論が集中。 提案されていた組織形態は、

 @制度官庁・公文書館の機能を内閣府に一元化し、内部部局・外局又は特別の機関として位置づける案 A制度官庁(内閣府に一元化)及び公文書館の機能を一体化せずにそれぞれ機能を強化し、国立公文書館の組織形態については、上記のような特別の法人とする案 (注:「上記のような特別の法人」は行政機関だけでなく司法・立法の文書を移管管理できる法人 --- 川村) B総務省及び内閣府に分かれている現状を踏まえ、企画事務を行う2つの制度官庁、実施事務を行う国立公文書館をそれぞれ拡充・強化する案

 の3案であったが、Bは現状のままになってしまう懸念があるので中間報告では削除し、@案とA案を提言し、最終報告までに更に議論を煮詰めていくことになった。

 最後に上川担当大臣は「民主主義国家の象徴としての文書管理の在り方を提言していくことが必要なので、有識者の方々にトコトン議論していただきたい」と締めくくった。

 尾崎座長は有識者委員に次回会合は中間報告の討議として最後になるので、意見は会合までに文書で提出していただきたいと要請した。中間報告をまとめるための第8回会合は6月23日(月)午後5時から行われる。

(問い合わせ先)内閣官房公文書管理検討室 佐々木、梅本TEL:03−3581−4718FAX:03−5512−2914Mail:masatake.umemoto@cao.go.jp

公文書管理の在り方等に関する有識者会議http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/koubun/index.html

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衆参両院、「アイヌ先住民決議」全会一致で可決(6月6日)

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 衆参両院は6月6日、本会議で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議案」を全会一致で可決した。 決議案は、超党派の国会議員でつくる「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表・今津寛自民党道連会長)がまとめた。 名称はこれまで「先住民族とする決議案」だったが、「国会が政府に先住民族と認めるよう求める」趣旨を踏まえ、修正された。 決議を受け、政府は、北海道ウタリ協会などが求めているアイヌ民族の権利や地位向上を協議する有識者懇談会を設置する意向だ。 決議をめぐっては、国連が昨年九月の総会で「先住民族の権利に関する宣言」を採択したのを受け、今年三月に発足した「議員の会」が政府や各党と調整を続けてきた。

アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議

       2008年6月6日    参議院本会議

 昨年九月、国連において「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が、我が国も賛成する中で採択された。これはアイヌ民族の長年の悲願を映したものであり、同時に、その趣旨を体して具体的な行動をとることが、国連人権条約監視機関から我が国に求められている。

 我が国が近代化する過程において、多数のアイヌの人々が、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたという歴史的事実を、私たちは厳粛に受け止めなければならない。

 すべての先住民族が、名誉と尊厳を保持し、その文化と誇りを次世代に継承していくことは、国際社会の潮流であり、また、こうした国際的な価値観を共有することは、我が国が二十一世紀の国際社会をリードしていくためにも不可欠である。

 特に、本年七月に、環境サミットとも言われるG8サミットが、自然との共生を根幹とするアイヌ民族先住の地、北海道で開催されることは、誠に意義深い。

 政府は、これを機に次の施策を早急に講ずるべきである。