2009年 市民会議ニュース |
市民会議ニュース 2009.3.10 NO.136 |
第171通常国会 政府が公文書管理法案を国会に提出 3月3日 市民のための公文書管理法制定を 〜 政府案では「司令塔」の機能果たせず 〜 ■有識者会議の報告から後退した公文書管理法案 政府は3月3日、公文書管理法案を閣議決定し、国会に提出した。政府案は公文書管理のあり方を検討してきた有識者会議の報告から後退したものとなった。有識者会議は公文書管理の司令塔となる担当機関を想定していたが、法案では各府省の意向がそのまま反映される恐れがある。市民団体は市民のための公文書管理法の制定を求めて3月17日に国会内でフォーラムを開催する。 ■市民会議、調査局設置法案の早期成立を全議員に要請 第171回国会(常会)は1月5日に召集され、継続審査となっていた恒久平和調査局設置法案(国会図書館法改正案)の審査を衆議院議院運営委員会に付託した。市民会議は招集日の午前、衆参両院の全国会議員に早期成立の要請を行った。前航空幕僚長の更迭問題で明らかになったように、先の大戦における歴史認識を語る前に歴史の事実について公的調査を行い、事実を共有することが必要と訴えた。 ■韓国真相糾明委員会の存続を要請 昨年11月、韓国国会にハンナラ党の議員が日本の徴兵・徴用の被害調査を行っている政府の強制動員被害真相糾明委員会を廃止する法案を提出した。これに対し、日本で強制連行問題を調査している市民団体は12月に韓国の遺族団体とともに委員会を存続するよう要請行動を行った。恒久平和議員連盟の国会議員は、日韓首脳会談で遺骨調査などを合意しており、真相糾明委員会の廃止は国際問題になると韓国の国会議員に働きかけ、真相糾明委員会の廃止に歯止めがかかっている。 ■麻生首相、旧麻生鉱業の捕虜使役を認める 恒久平和議連会長で民主党の鳩山由紀夫幹事長は1月6日の代表質問で旧麻生鉱業の連合軍捕虜使役問題を取り上げ、麻生太郎首相の認識を質した。麻生首相は答弁で捕虜労働の事実を認めた。麻生首相は米国紙が報道した2006年11月、外務大臣として反論を掲載するよう指示し、外務省は在ニューヨーク総領事館のホームページに反論を掲載した。2008年11月、厚生労働省内に事実関係を示す資料が見つかり、外務省は反論を削除していた。 Contents NO.136 第171回通常国会/公文書管理法案/調査局設置法案/「慰安婦」問題/不発弾事故/国会図書館/ホロコースト/強制動員/麻生鉱業の強制労働/ |
第171通常国会 2009年1月5日 |
市民会議、調査局設置法早期成立で全議員に要請 第171回国会(常会)が1月5日に召集、会期は6月3日までの150日間。衆議院の任期が今年9月に迫るなか、衆院解散・総選挙をにらんだ与野党対決の国会となっている。 継続審査となっている恒久平和調査局設置法案(国会図書館法改正案)は1月5日、衆議院議院運営委員会に審査が付託された。衆院議運は国会図書館の運営を審査する図書館運営小委員会を設け、小委員長には議運野党筆頭理事の玄葉光一郎理事(民主)が就任した。 市民会議は招集日の午前、衆参両院の全国会議員に恒久平和調査局設置法案の早期成立の要請を行った。 【要請文】 国会議員のみなさまへ 2009年1月5日 歴史の事実を公的に調査する「恒久平和調査局」を設置してください! ●航空幕僚長更迭事件で政府の歴史認識に危うさ 第171回国会の開会にあたって、衆参両院の国会議員の皆さまに訴えます。 昨年を回顧する時、現職の航空幕僚長が政府と歴史認識を異にする論文を発表し、更迭された事件は忘れ得ない重大な出来事でした。 前航空幕僚長を参考人として招致した参院外交防衛委員会は、委員長が開会に際して「昭和の時代に、文民統制が機能しなかった結果、三百数十万人の尊い人命が失われ、また、国家が存亡のふちに立たされたことは、忘れてはならない過去の過ちであります」と前置きする異例の事態で始まりました。 このことは、国内において先の大戦における歴史認識の共有がなされていないことを示すものであり、先の論文に賛否両論があるのは歴史の事実について今まで公的調査が行われて来なかったからにほかなりません。 ●歴史の事実を公的に調査することが歴史認識の基礎 私たちの「戦争被害調査会法を実現する市民会議」は、1997年11月に先の大戦における戦争被害の歴史の事実を公的調査によって明らかにすることを目的として発足した市民運動です。 「公的調査によって歴史の事実を明らかにする」という考えは、超党派の国会議員の賛同を得、98年には「恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟」が結成され、国立国会図書館に「恒久平和調査局」を新設して歴史事実を調査する「国立国会図書館法改正案」として実を結び、99年8月に衆議院に提出されました。 「恒久平和調査局」を設置する「国立国会図書館法改正案」は現在も継続審査中であり、本日から始まる第171回国会において早期に実質審議に入り、成立を期していただく要請をする次第です。 ●国会図書館に「恒久平和調査局」の設置を 歴史の事実を明らかにすること自体、決して易しいことではありません。 1995年8月の戦後50年にあたって閣議決定された村山富市総理の談話は、「植民地支配と侵略」を認めた内容であり、麻生内閣も村山談話を政府見解として踏襲しています。 私たちは、前航空幕僚長更迭で示されたように、戦後60年以上も経って、なお、先の戦争の評価が定まらない現状を憂えます。 私たちは2009年の初頭にあたって、改めて歴史の事実に基づく歴史認識の共有をめざす努力を具体的になすべきことを訴えます。 日本がアジアに残した多くの傷跡は未だ癒されることなく、戦争の惨禍によって悼み・悲しみ・憤りを消し得ない被害者は数多くいます。 昨年は日本の寺院で保管されていた韓国出身戦没者遺骨がようやく韓国の遺族に引き渡されました。世界各国の議会からは日本軍によって「慰安婦」とされた被害者への公式謝罪を要求する決議が相次ぎました。これらは戦後処理における氷山の一角です。まだまだ戦後は終わっていません。 これから始まる通常国会で、緊急かつ重要な国民生活安定のための諸施策の推進が求められている一方、戦後64年にあって、アジアの国々の人々との信頼と共生の道を歩むことを重視し、「歴史を直視し、未来指向の政治」を推進するために、公的調査によって歴史の事実を明らかにすることがすべての政治の前提要件であることを訴えたいのです。 以下は国立国会図書館に恒久平和調査局を新設する法律案の提案理由です。ぜひ、国会議員の皆さんにお読みいただき、ご理解を願いたいと存じます。 国立国会図書館法の一部を改正する法律案(提案理由) 第164回国会提出 衆法第27号 今次の大戦及びこれに先立つ一定の時期における惨禍の実態を明らかにすることにより、その実態について我が国民の理解を深め、これを次代に伝えるとともに、アジア地域の諸国民をはじめとする世界の諸国民と我が国民との信頼関係の醸成を図り、もって我が国の国際社会における名誉ある地位の保持及び恒久平和の実現に資するため、国権の最高機関たる国会に置かれる国立国会図書館に、恒久平和調査局を置く必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。 |
市民会議ニュース 2009.7.2 NO.137 |
第171通常国会 与野党共同で修正案提出、衆参両院で全会一致 6月24日 公文書管理法、修正で成立 〜 第一条に「公文書は国民共有の知的資源」と明記 〜 公文書管理担当機関や中間書庫は検討課題 政府が提出していた公文書管理法案は衆議院の修正を経て、6月24日の参議院本会議で全会一致可決、成立した。修正の主な点は、第一条の目的に「公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものである」との文言を挿入したことや、文書の廃棄に総理大臣の合意を必要とするなど各府省の恣意的な処分に一定の歯止めをかけたことなどがあげられる。しかし公文書管理の在り方を検討していた有識者会議が提言していた公文書管理担当機関の設置や公文書を集中管理する中間書庫、国立公文書館の「特別な法人」への格上げなどは検討課題として持ち越しになった。衆議院は15項目、参議院では21項目の附帯決議も採択された。 ■委員、条文に「国民共有の財産」を盛り込むべきだ 法案の質疑で各党が取り上げたのは、政府案に「公文書は国民共有の財産」の文言が入っていなかったことだ。有識者会議の最終報告や政府答弁は、公文書の意義を「公文書は国民共有の財産」としていたにもかかわらず、法律の条文に入っていないのはどういうわけだということであった。 ■政府、財産は金銭的価値で法律になじまない 政府は、「国民共有の財産というのは、金銭的価値を持つものに対して使う言葉で、分割請求権という問題が生じ、共有財産というふうに規定しますと、国民が、では、うちの持ち分をよこせというようなことにもなるのではないかという関係方面の御指摘も踏まえて、このような文言にした次第でございます」と不可解な答弁を繰り返した。 ■元担当大臣も指摘、結局は「財産」ではなく「知的資源」に 担当大臣だった上川陽子委員も、「国民の共有財産であるという認識は、法律の持っている趣旨に照らして考えれば、でき得る限り、最終報告の趣旨も生かしつつ、目的の中にしっかりと書き込んでいくということは大変大事なことではないか」とわざわざ指摘したくらいである。 しかし政府側の意志は固く、与野党合意の修正案でも「財産」の文字は消え、「知的資源」という言葉に置き換えられてしまった。 ■司令塔や中間書庫、立法・司法文書の管理は持ち越し 論点としては、文書管理の権限が問題となり、各府省の恣意的な操作が及ばないシステムをつくることが課題であったが、担当大臣を置くことのできる公文書管理庁の設置や中間書庫の活用、立法・司法文書の管理などは附帯決議の項目に列挙され、今後の検討課題になった。 ■法施行は2011年4月、政令が課題に 公文書管理法の施行は2年先の2011年4月だ。それまでに公文書管理委員会が設置され、各府省の統一ルールを定める公文書管理規則が作られる。政令の整備も行われる。米国の連邦記録法に送れること60年、本物の「記録管理」に近づくかどうか見守って行きたい。 Contents NO.137 《特集 公文書管理法成立》 意義と課題―加藤健一/小谷允志/小川千代子/修正と附帯決議/市民の意見●恒久平和議連―公開ヒアリング/元捕虜来日/ |
市民会議ニュース 2009.10.5 NO.138 |
第172回特別国会 総選挙で与野党逆転、民社国連立政権発足 歴史問題で鳩山内閣に期待感 〜 中国・韓国などアジア・太平洋地域の信頼関係確立へ 〜 民主党の鳩山由紀夫代表を首班とする民主党・社民党・国民新党3党による連立政権が9月16日に発足した。鳩山内閣誕生は8月30日に行われた第45回衆議院総選挙で自民・公明の与党が大敗、民主党が圧勝したことによってレールが敷かれていた。中国や韓国の新聞は総選挙の結果を受けて、鳩山民主党代表の「進歩的歴史観」に期待する論評を掲載した。中国の新華社通信は今年6月には中国の崔天凱駐日大使に「靖国神社には参拝しない」と明言したと紹介、韓国の朝鮮日報も1面トップ記事で、首相や閣僚が靖国神社を参拝せず、国立追悼施設建設を公約していると伝えた。 これを裏付けるように9月9日に署名された「連立政権樹立に当たっての政策合意」では、「中国、韓国をはじめ、アジア・太平洋地域の信頼関係と協力体制を確立し、東アジア共同体(仮称)の構築をめざす。」と書き込まれた。鳩山内閣が過去の自民党政権が先送りしてきた戦争の惨禍の真相究明や残された戦後処理の諸課題などの歴史問題にどのように取り組んでいくのか注目される。 ■総選挙の争点に浮上した「国会図書館法改正案」 麻生首相が7月21日に衆議院を解散、審議中だった「国会図書館法改正案」は審議未了・廃案となった。民主党と社民党は総選挙の政権公約や政策集に同法案を明記した。一方、自民党は政策パンフレットで同法案を「問題法案」と決め付けて民主党批判を展開した。こうして歴史の事実を明らかにする法案が総選挙の争点に浮上したが、同法案は民主党の法案ではなく、自民党の議員も参加した超党派の恒久平和議員連盟が発議した法案である。 ■恒久平和議連の体制整備と法案再提出が課題 恒久平和議員連盟に加盟している前議員で総選挙に立候補したのは41人。当選者は35人で議席を得られなかった人は6人だった。このほかに元議連関係者12人が返り咲いた。前衆議院議員で議連の鈴木恒夫副会長(自民)、石井郁子副会長(共産)と岩国哲人(民主)、金田誠一(民主)の4人は勇退している。今後は鳩山内閣発足に伴う議連体制の整備と「国会図書館法改正案」の再提出が課題となる。 ■元BC級戦犯、シベリア抑留、「慰安婦」問題への対応に注目 戦後補償関連では韓国・朝鮮の元BC級戦犯者に給付金を支給する法案や旧ソ連などシベリア抑留者に特別給付金を支給する法案などが先の通常国会で審議未了・廃案となった。これらの議員提出法案は、政権交代による内閣提出法案となれば成立する可能性が高い。また日本軍「慰安婦」問題解決のための法案も人権問題として国際社会から注視の的になっており、政権・与党がどのように対処するのかが問われる。 ■情報公開・公文書管理の前進に期待 「核密約」文書など政府の公文書の情報公開も新政権の課題になる。公文書管理法は先の国会で全会一致で成立、7月1日に公布された。今後は政令を整備し、2011年4月に施行される。公文書の管理が正確に行われなければ情報公開も機能しない。戦時中の歴史公文書なども早期に公文書館に移管され、歴史の事実が明らかにされることを期待したい。 Contents NO.138 鳩山内閣に歴史問題で期待感/各党の総選挙での政権公約 /《特集 日本軍「慰安婦」問題》 20の動議、決議、意見書/国連決議も視野/今年可決された11都市の「慰安婦」決議・意見書を一挙掲載 |
市民会議ニュース 2009.12.5 NO.139 |
第173回臨時国会 APECでアジア政策を発表 11月15日 鳩山首相、アジアと真の和解へ 〜 韓国「併合」100年を前に調査会法の成立を 〜 鳩山由紀夫首相は11月15日、APECが開かれたシンガポールで東アジア共同体構想を推進するアジア政策を発表しました。首相は「日本の新政府はアジア外交重視を宣言する」と表明。自ら提唱する東アジア共同体構想を推進するため、「日本はアジアの人々に多大な損害と苦痛を与えた後、六十年以上がたった今も、真の和解が達成されたとは必ずしも考えられない」と指摘、同構想によってアジア諸国との「和解」を目指す考えを示しました。 来年の2010年は韓国「併合」100年、戦後65年、村山談話15年の節目の年にあたります。歴史を直視する勇気ある政権として発足した鳩山内閣と政府与党は、鳩山法案ともいうべき、恒久平和調査局設置法案を早期に成立させ、戦争被害の公的調査に着手すべきです。 ■衆参両院議員に調査会法の成立を要請 市民会議は第173回臨時国会召集日の10月26日、衆参両院の全国会議員に戦争の惨禍を公的に調査する恒久平和調査局の早期設置を要請しました。1999年以来、4回にわたって提出し、4度の廃案を繰り返してきた「国会図書館法改正案」、別名「恒久平和調査局設置法案」は国立国会図書館に戦争の惨禍を公的に調査する恒久平和調査局を設置するという法律案です。法律案は歴史の事実を明らかにし、アジア諸国の人々との信頼を醸成する目的を持っています。法案を発議したのは自民・公明・民主・共産・社民各党の国会議員が加盟する超党派の議員連盟であり、決して党派的な偏りがあるわけではありません。戦争被害の公的な調査は日本国民の総意として全会派一致で行う必要があります。 ■「アジアから信頼される日本をつくる」と鳩山首相 臨時国会で初めて所信表明演説を行った鳩山首相は 持論の東アジア共同体構想を推進することを表明。むすびで 「諸国民から愛され、信頼される日本をつくりたい」とし、「これは私の偽らざる思いであります」と述べました。首相の信条は、東アジア共同体を唱えるとかつての「大東亜共栄圏」が復活したと錯覚されないとは限らない、そのように解釈されないために過去の歴史を清算しなくてはならない、(講演「日韓関係の過去から未来へ」 1998年5月)と明確に述べたように過去の清算なくして信頼はないということなのです。 ■中国人強制連行で西松建設が謝罪、新たな局面に 臨時国会が召集される直前の10月23日、中国人強制労働事件で被害者と西松建設の間で和解が成立しました。被害者側と西松建設は、西松側が強制労働の責任を認め謝罪、2億5千万円を支出し、被害救済を目的とした基金を設立することで合意したものです。企業側が訴訟で勝訴した事件であるにもかかわらず、被害者と企業の和解が成立した初めてのケースになりました。 しかし今回の和解は民間企業に限ったことで、政府の責任は問われませんでした。強制連行と強制労働は国策で行われており、民間企業の責任だけでなく、政府の責任もあるわけです。 このように強制連行や「慰安婦」問題など日本の歴史的な責任が鳩山内閣にゆだねられているといっても過言ではありません。鳩山首相の思いが2010年に実現できるよう、環境を整えていかねばなりません。 Contents NO.139 鳩山内閣のアジア政策/調査会法制定へ全議員要請 /鳩山首相の歴史認識/独首相、ポ侵攻を謝罪/西松建設、被害者に謝罪/「慰安婦」問題意見書/ |
衆参両院の全議員に調査会法の早期成立を要請 2009年10月26日 〜 鳩山内閣と新国会は戦争被害の公的調査の実施を 〜 |
第173回臨時国会の招集日となった10月26日、市民会議は衆参両院議員全員に恒久平和調査局設置法案の早期成立を要請しました。民主党と社民党は総選挙政策に歴史の事実を明らかにする「国会図書館法改正案」の成立に取り組むことを記載、鳩山首相も韓国大統領に「歴史を直視する勇気ある政権」と表明したことを受けて、その実現を求めたものです。 【要請文】 国会議員のみなさまへ 2009年10月26日 アジア諸国との信頼関係確立を鳩山内閣と新国会に期待します! 〜 まず、戦争の惨禍を公的に調査してください 〜 ■注目される鳩山首相の所信表明演説と国会論戦 第173回国会の開会にあたり、新しく当選された衆議院議員の皆さまを始め、すべての国会議員の皆さまに訴えます。 先の特別国会で鳩山連立内閣が発足し、本日招集された臨時国会において鳩山由紀夫首相の所信表明演説が行われます。戦後64年の歳月を経て、劇的な政権交代で誕生した鳩山首相の所信表明演説に主権者は注目しています。 そして鳩山首相の演説とともに国会論戦における各党の政治姿勢も今後の政治の行方を左右することになり、注目されるところです。 ■政府と国会は歴史の事実を直視してください 先の大戦での戦争被害の公的調査を求めている私たちは、鳩山首相が日本のアジア諸国への「植民地支配と侵略」をお詫びした「村山談話」を踏襲し、過去の歴史を直視する勇気ある政権と自らの政権を表現し、「東アジア共同体」構想を掲げて実現に尽力されていることに強い期待感を持っています。 なぜならば、鳩山首相はこれまで歴史の事実を明らかにする超党派の議員連盟の会長をされ、国立国会図書館に恒久平和調査局を設置する法律案の提出者であったからです。私たちは院外にあって、その法律案の成立をめざして運動を展開してきたからに他なりません。 ■国会図書館に「恒久平和調査局」の設置を 国立国会図書館に恒久平和調査局を設置する法律案(「国会図書館法改正案」)は、1998年に鯨岡兵輔、鳩山由紀夫、浜四津敏子、武村正義、土井たか子の各議員が呼びかけ人となって結成された超党派の「恒久平和のために真相究明法の成立を目指す議員連盟」が発議し、99年8月に初めて衆議院に提出されました。 今年の第171回国会で4回目の審議未了、廃案となりましたが、民主党と社民党の総選挙政策に法案への取り組みが明記されており、私たちは新国会での再提出に期待を寄せています。 ■アジア諸国との信頼は「過去の克服」が前提要件 日本がアジアに残した多くの傷跡は未だ癒されることなく、戦争の惨禍によって苦しむ被害者は数多くいます。日本政府と国会は国民生活安定のための諸施策を講じるとともに、アジア諸国の人々との信頼と共生の道を歩むために戦争被害の公的調査を行うことが求められています。 与野党を問わず、日本の「過去の克服」のために一致協力して歴史の事実を究明する調査局を設置されることを要望するものです。 下記の囲みは国立国会図書館に恒久平和調査局を新設する法律案の提案理由です。ぜひ、国会議員の皆さんにお読みいただき、ご理解を願いたいと存じます。皆さまの大切なお働きに心から感謝申し上げます。 |