第212臨時国会で全国会議員に要請 2023年10月20日 (2023.10.22.更新) |
戦後、積み残してきた課題こそ戦争被害の調査 第212回国会(臨時)は10月20日に召集されました。市民会議は衆参両院の全国会議員に戦争被害を公的に調査する恒久平和調査局の設置を要望しました。 ウクライナに続いてパレスチナ自治区のガザ地区で戦闘が勃発し、国際社会は第三次大戦のような様相を見せてきました。 市民会議は岸田文雄総理が今年8月に訪米し、日米韓首脳会談後に発表された「キャンプ・デービッド原則」に注目しました。同原則は事実上、日米韓の三か国同盟化を目指すものと受け止められており、東アジア諸国を分断する性格を帯びています。 すなわち、中国とロシア、北朝鮮との対立を表明するものとなっているからです。 市民会議は先の大戦によって、日本がアジア諸国の人々に与えた加害の事実を明らかにするための法律の制定を目指しています。このことはアジア諸国の人々と対立するのではなく、友好を促進するためにあるものです。「キャンプ・デービッド原則」はそのような方向とは逆の動きになっていると思わざるを得ません。 岸田総理は、戦後積み残してきた「先送りできない問題」に答えを出していく、と表明しています。「先送りできない問題」とは軍備を増強して軍事的緊張を高めることではなく、日本がアジア諸国に与えた戦争被害を調査することで近隣諸国との融和を進めて緊張緩和を進めることであると思うのです。 かつて渋沢栄一は国際連盟協会の会長として政府の軍備増強に反対しました。渋沢は日本の軍国主義化に反対し、経済人の奮起を促しました。 今こそ、国権の最高機関である国会が政府の過ちを正すべきときを迎えていると思います。戦争被害の調査は政府ではなく国会が行なうことに意義があり、近隣諸国との平和と友好の道を示す必要があると考えます。 市民会議はそのような思いを込めて、国会議員の皆様に国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置するよう要請しました。 以下は国会議員の皆さまに配布した要請書です。 【要請書】 国会議員の皆さまへ 2023年10月20日 国会が先の戦争被害の調査を! 戦争被害調査会法を実現する市民会議 第212回国会(臨時)の開会にあたり、国民の代表者として選ばれた皆様に訴えます。 私たちは歴史の事実を明らかにするために、先の大戦における戦争被害を公的に調査する法律の制定をめざしている市民団体です。 すでに法律案は国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置する「国立国会図書館法改正案」(裏面参照)として超党派の国会議員によって発議されています。 皆様におかれては、国権の最高機関としての使命を再認識され、国立国会図書館に恒久平和調査局を設置し、戦争被害を公的に調査していただくことを切に要望いたします。 ■近隣諸国との融和を優先してください 岸田文雄総理は今年8月の日米韓首脳会談において、「キャンプ・デービッド原則」を発表しました。同原則は安全保障協力で「日米韓が一丸」となることをうたっており、事実上の三か国同盟をめざすものと受け止められています。このことは東アジア地域を分断し、軍事的緊張関係を誘発する危険性をはらんでいると言えるでしょう。 現代は一国で解決できない地球環境問題などの課題に主義主張を超えて各国が協力して取り組むべきではないでしょうか。対立ではなく対話こそ優先されるべきときです。 歴代の総理は近隣諸国との融和を優先されてきました。 今、日本が行なうべき「先送りできない問題」は日本が「植民地支配と侵略」によってアジア諸国の人々に与えた戦争被害について体系的に調査することだと思います。 私たちは先の戦争が政府の行為によって引き起こされたことを想起し、国権の最高機関である立法機関の国会が戦争被害を公的に調査するのにふさわしいと考えています。 ■国会図書館で戦争被害の調査を! かつて国際連盟協会の会長だった渋沢栄一は政府の軍備増強に異を唱えたことがありました。1921年、全国商業会議所連合会で行なった「軍備縮小と日本の将来」と題した演説がそれです。渋沢は日本が軍国主義といわれないためにも「霞ヶ関のみに外交のことを任せておれるものではない」として経済人の奮起を促しています。 国会に置かれている国立国会図書館は、その法律前文に「憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」と明記しています。 皆様におかれましては、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(日本国憲法の前文)ためにも、戦後80年を迎える2025年までに戦争被害調査に着手されるよう重ねて要望いたします。 国会議員の皆様の奮起をお願いするしだいです。 |
第211通常国会で全国会議員に要請 2023年1月23日 (2023.1.29.更新) |
戦後、積み残してきた課題こそ戦争被害の調査 第211通常国会が召集された1月23日、市民会議は衆参両院の全国会議員に戦争被害を公的に調査する恒久平和調査局の設置を要望しました。 岸田文雄総理は、戦後積み残してきた「先送りできない問題」に答えを出していく、と年頭所感で明らかにしました。 その「先送りできない問題」とは驚くことに、敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有するために米国製のミサイル「トマホーク」を買うことだったのです。 市民会議は歴代の内閣がアジア諸国との融和を求めてきたことを前提に、 「先送りできない問題」とは日本がアジア諸国に与えた戦争被害を調査することであると国会議員の皆さんに訴えました。 そして、戦争被害の調査は政府ではなく国会が行なうことに意義があり、 国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置するよう要請しました。 以下は国会議員の皆さまに配布した要請書です。 【要請書】 国会議員の皆さまへ 2023年1月23日 戦後、積み残してきた問題に対処するのが日本の責任 国会が先の戦争被害の調査を! 戦争被害調査会法を実現する市民会議 第211回国会(常会)の召集日にあたり、改めて国民の代表者である皆様に訴えます。 私たちは歴史の事実を明らかにするために、先の大戦における戦争被害を公的に調査する法律の制定をめざしている市民団体です。 すでに法律案は国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置する「国立国会図書館法改正案」(裏面参照)として超党派の国会議員によって発議されています。 皆様におかれては、国権の最高機関としての使命を再認識され、国立国会図書館に恒久平和調査局を設置し、戦争被害を公的に調査していただくことを切に要望いたします。 ■近隣諸国との融和が優先すべき課題 岸田文雄総理は年頭所感で、「戦後日本が直面し、積み残してきた多くの難しい問題、『先送りできない問題』に、正面から立ち向かい、一つ一つ答えを出していく。」と述べられました。「先送りできない問題」とは何でしょうか。 「先送りできない問題」とは敵基地攻撃能力(反撃能力)を保有することだったのでしょうか。岸田総理が就任当初に表明した「新時代リアリズム外交」とは日本が「専守防衛」ではなく「先制攻撃」能力を持つことだったのでしょうか。 岸田氏の先輩の大平正芳氏は外務大臣当時、田中角栄総理とともに中国を訪問し、過去の戦争責任を痛感し、深く反省するとした日中共同声明に署名されました。宮澤喜一総理は「慰安婦」とされた韓国の女性に対して「反省の意とお詫びの気持ち」を表明した最初の総理でした。 歴代の先輩総理は近隣諸国との融和を優先されてきました。ところが岸田総理は近隣諸国との対決姿勢をあらわにしています。このことは近隣諸国に日本をかつての「大日本帝国」時代を想起させてしまうのでありませんか。 今、日本が行なうべき「先送りできない問題」とは日本が「植民地支配と侵略」によってアジア諸国の人々に与えた戦争被害について体系的に調査することだと思います。 私たちは先の戦争が政府の行為によって引き起こされたことを想起し、国権の最高機関である立法機関の国会が戦争被害を公的に調査するのにふさわしいと考えています。 ■国会図書館で戦争被害の調査を! 国会に置かれている国立国会図書館は、その法律前文に「憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」と明記しています。 皆様におかれましては、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(日本国憲法の前文)ためにも、戦後80年を迎える2025年までに戦争被害調査に着手されるよう重ねて要望いたします。 |