第216臨時国会で全国会議員に要請 2024年11月28日 (2024.12.2.更新) ![]() |
裏金問題を払拭し、戦後80年を迎える2025年に国会が先の戦争被害の調査を行うよう求める 第216回国会(臨時)は11月28日に召集されました。 第214回国会(臨時)召集日の10月1日に発足した石破茂内閣は10月9日に解散、第50回衆議院議員総選挙が10月27日に実施されました。総選挙の結果、自民公明の与党は過半数割れとなり、衆議院の各党の勢力は様がわりしました。その後の第215回国会(特別)は第一党を確保した自民党の石破総裁を総理に選出、第二次石破内閣が発足しました。特別国会は4日間で閉会したため、本格的な論戦は次期、第216回国会に持ち越されました。 私たち市民会議は、解散前提の第214回国会と総選挙後の第215回国会での国会要請は見合わせ、第216回国会(臨時)に合わせて、新たに選出された衆議院議員と参議院議員の全国会議員に改めて、先の戦争被害の調査を行うよう求める要請行動を行いました。 今回は新しく当選した衆議院議員の皆さんに立法府が戦争被害の調査を行うことの意義と調査機関に国会図書館がふさわしいことを初心に戻って訴える内容にするように心掛けました。そして、石破総理がかつて行なった歴史認識にかかわる発言をもとに要請文をまとめました。石破総理は集団的自衛権を議論するにあたって、「きちんとした歴史認識」を持つことが重要だと述べて日本第一主義の「自慢史観」を批判しています。 私たちは石破氏のいう「きちんとした歴史認識」を持つためには日本がアジア諸国の人々に与えた被害の事実を調査することが必要だと国会議員の皆さんに理解を求めました。 市民会議はそのような思いを込めて、国会議員の皆様に国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置するよう要請しました。 以下は国会議員の皆さまに配布した要請書です。 【要請書】 国会議員の皆さまへ 2024年11月28日 裏金問題払拭し、戦後80年の明日へ 戦争被害調査会法を実現する市民会議 私たちは先の大戦における戦争被害の公的調査を求めている市民団体です。 第216回国会の開会にあたり、私たちは第50回衆議院議員総選挙において示された裏金問題の払拭を求める国民の意思に基づき、民主的で公明正大な政治改革をいち早く実現するよう当選された衆議院議員の皆様や参議院議員の皆様に要請いたします。 そして、長年に亘って放置されてきた先の戦争被害を調査する法律を国会が率先して制定していただきたく存じます。 すでに法律案は国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置する「国立国会図書館法改正案」(裏面参照)として超党派の国会議員によって発議されています。 皆様におかれては、国権の最高機関としての使命を再認識され、国会が戦争被害の公的調査に取り組まれることを切に要望いたします。 ■戦争被害の検証は国会が率先すべき 石破茂総理はかつて、「きちんとした歴史認識なしに集団的自衛権ということを論議した場合に、場合によっては、アジアの諸国から、かつての大東亜共栄圏みたいな、そういう批判が起きかねないことを私は危惧するものであります。」(2007年2月9日 衆議院予算委員会)と述べたことがあります。そして「自虐史観」はよいものだと思わないが、「自慢史観」もいい見方だとは思わないと述べました。 先の戦争において、日本が「植民地支配と侵略」によってアジア諸国の人々に多大な被害を与えたことは自明の理です。しかし日本は戦争被害の実態について体系的に調査したことはありません。日本が「きちんとした歴史認識」を持つためにはアジア諸国の人々に与えた戦争被害について調査することが不可欠なのではないでしょうか。そうすることによって、日本は平和国家としてアジア諸国の人々の信頼を得ていかなくてはならないと思うのです。 私たちは先の戦争が政府の行為によって引き起こされたことを想起し、国権の最高機関である立法機関の国会が戦争被害を公的に調査するのにふさわしいと考えています。 ■国会図書館に調査局の設置を! 国会には国立国会図書館が置かれています。その国立国会図書館法は法律前文に「憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」と明記しています。国会図書館の使命は世界平和に寄与することなのです。その意味で戦争被害を公的に調査する機関として一番ふさわしいのではないでしょうか。 皆様におかれましては、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(日本国憲法の前文)ためにも、戦後80年を迎える2025年に戦争被害調査に取り組まれることを期待するものです。 |
第213通常国会で全国会議員に要請 2024年1月26日 (2024.1.28.更新) |
台湾出兵150年、戦争へと突き進んだ歴史を反省し、国会が先の戦争被害の調査を! 第213回国会(常会)は1月26日に召集されました。通常国会は冒頭に総理の施政方針演説で始まるのが通例ですが、今回は自民党の派閥による裏金問題に関する予算委員会の集中審議が優先されるなど異例の展開になりました。 私たち市民会議は、元日に発生した能登半島地震による被災者対策を国会として優先していただきたいと国会議員の皆さんに要望いたしました。 その上で、会期中に国会として戦後、積み残してきた課題である戦争被害の公的調査に着手するよう要請しました。 今年は日本が維新から7年後の1874年5月に台湾に出兵してから150年にあたります。近代日本は台湾出兵から始まったと言って過言ではないわけです。 国会議員の皆様へは台湾出兵で戦死した12名の犠牲者が招魂社(靖国神社)に合祀されていることを知っていただきたかったのです。 岸田総理は年頭所感で、外交政策でリーダーシップを発揮したいと述べましたが、敵基地反撃能力を保持する防衛力の増強を計画していることは、アジア諸国の人々の信頼得るどころか、むしろかつての「大日本帝国」を想起させるのではないかと危惧する次第です。 私たちはアジアで戦後積み残してきた「先送りできない問題」とは軍備を増強して軍事的緊張を高めることではなく、日本がアジア諸国に与えた戦争被害を調査することで近隣諸国との融和を進めて緊張緩和を進めることであると思うのです。 今こそ、国権の最高機関である国会が政府の過ちを正すべきときを迎えていると思います。戦争被害の調査は政府ではなく国会が行なうことに意義があり、近隣諸国との平和と友好の道を示す必要があると考えます。 市民会議はそのような思いを込めて、国会議員の皆様に国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置するよう要請しました。 以下は国会議員の皆さまに配布した要請書です。 【要請書】 国会議員の皆さまへ 2024年1月26日 台湾出兵150年、戦争へと突き進んだ歴史を反省し、 国会が先の戦争被害の調査を! 戦争被害調査会法を実現する市民会議 私たちは第213回国会の開会にあたり、皆様に能登半島地震で被災された方々への支援を最優先で取り組まれるよう要請いたします。そして、会期中には戦後78年を経ても公的に調査されていない先の戦争被害について国会が率先して調査できる法律を制定していただきたく存じます。すでに法律案は国立国会図書館に戦争被害を調査する恒久平和調査局を設置する「国立国会図書館法改正案」(裏面参照)として超党派の国会議員によって発議されています。皆様におかれては、国権の最高機関としての使命を再認識され、国会が戦争被害の公的調査に取り組まれることを切に要望いたします。 ■台湾出兵から始まった近代の日本 今から150年前の1874年5月、時の陸軍中将西郷従道は琉球島民遭難事件を口実に3600名の台湾征討軍を派遣しました。世にいう台湾出兵であり、日本軍初の海外派兵でした。台湾の石門古戦場では住民30名が殺害され、日本軍も12名の戦死者を出しました。12名は対外戦争の最初の犠牲者として招魂社(靖国神社)に合祀されました。日本は台湾出兵を契機として日清、日露の戦争に突き進み、先の大戦で敗戦を迎えたことはご存じのとおりです。 私たちは維新以来の近代の歴史を振り返り、その反省の上に今日のあり方を考えるべきだと思います。岸田文雄総理は年頭所感で、日本が外交政策でリーダーシップを発揮すると述べられましたが、そのためには近隣諸国の人々の信頼を得なければなりません。 歴代の先輩総理は近隣諸国との融和を優先されてきましたが、岸田総理は防衛力の増強を図るなど、融和ではなく対決姿勢に転じているように思えます。このことは近隣諸国の人々にかつての「大日本帝国」を想起させてしまうことに繋がりかねないと危惧します。 今、日本が行なうべき「先送りできない問題」とは日本が「植民地支配と侵略」によってアジア諸国の人々に与えた戦争被害について体系的に調査することだと思います。日本は平和国家としてアジア諸国の人々の信頼を得なくてはならないと思うのです。 私たちは先の戦争が政府の行為によって引き起こされたことを想起し、国権の最高機関である立法機関の国会が戦争被害を公的に調査するのにふさわしいと考えています。 ■国会図書館で戦争被害の調査を! 国会に置かれている国立国会図書館は、その法律前文に「憲法の誓約する日本の民主化と世界平和とに寄与することを使命として、ここに設立される」と明記しています。 皆様におかれましては、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにする」(日本国憲法の前文)ためにも、戦後80年を迎える2025年までに戦争被害調査に着手されるよう重ねて要望いたします。 |